自動車とバイクの燃費の違いはどこから?




バイクと自動車の燃費の違いはどこから来るのでしょうか。 車体重量だけで言えば、バイクは200kg程度、自動車は1トン ぐらいで比較になりません。
通常、重いものを動かすには大きな力が必要なのは明白で、 普通ならバイクの方がもっと良くてもいいはず。
考えられることは、

1.馬力とトルクとエンジンの構造の差

バイクの評価の一つとして馬力が未だに 用いられています。
これは最高速度を測るもので、高回転で 高い速度を得ようとするとどうしても燃費が 下がります。
トルクに関しても低回転でパワー感を出そうと すると燃費が下がっていきます。 要は自動車と必要とされるパワーが異なる、 ということです。
つまり根本的なエンジンの構造の差があります。

自宅の自動車の60km/Lはおよそ1000回転/min。比べてCB400の60km/Lは およそ4000回転/min。 もちろん排気量は違いますが、同じ速度を出すのに回転数が全然異なる。 これはピストンのボアxストロークが全然違うということ。
繰り返しになりますが、必要とされるパワーバンドが異なるためでしょう。

2.車体簡素化の可否

同じ排気量のエンジン(たとえば軽自動車と600ccのバイク) の振動に耐えうるバイクは加速が高い分、車体の剛性 をとる必要がありますが、軽自動車では 速度域や加速が低いためにその必要が ないということがあります。


3.フリクションロス

自動車に比べてタイヤを回すまでの伝達に ロスがあるため。
特にチェーンはたるみと損失が大きい。
リアサスが駆動したときにはさらに損失が 増えると考えられる。


4.エンジンオイルの違い

ここで一番異なるのはエンジンオイルです。 自動車はエンジンオイルとミッションオイルを別に 持っています。
これは粘度でいうとエンジンオイル(5-30W)程度、ミッションオイルは 80W程度です。 エンジンオイルはピストンを潤滑させて動きをよくする 働きがあり、ミッションオイルは逆でどちらかというと ミッションのつなぎをよくする働きです。
これはよくよく考えると逆の特性が求められている訳です。

ところがバイクは構造上これがひとつになっている。 これによるロスはかなり大きいと思います。



自動車の燃費性能の発達により、 バイクのメリットとしての燃費はなくなりつつあります。
しかしながら、低い排気量のものではまだまだ負けていませんし、 燃費だけでは測れない良さがあることをたくさんの人に わかって欲しいと思います。










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