理想的な制動とは?
オートバイで急激に減衰すると、大きく前のめりになり、リヤタイヤに
かかる荷重が小さくなります。
加速とは逆のピッチングモーションが発生するためで、この加重が
かかるとフロントサスペンションが沈み、リヤ側は加重が抜けることで、
リヤサスペンションが伸びます。
このときにはリヤブレーキのききが小さくなっていますので、
ここでリヤブレーキをかけてもあまり意味がありません。
ではリヤブレーキ自体の意味がないかというとそんなことはなく、
ピッチングモーションを起こさないので低速においても挙動を
変えずに速度を減衰することができます。
教習所でも言われる、前7、後3でブレーキを掛ける、ということは
前ブレーキの方がよくきくので強めにかける、ということを
あらわしていますが、前述のように前ブレーキをかけると後ブレーキが
きかなくなるので、順番としてはリヤブレーキをまず先にかけて
車体の挙動をおさえ、フロントブレーキをかけて強い制動力を
かける、というのが理想的なブレーキングです。
簡単にいうと一瞬だけ速くリヤブレーキをかけてフロントブレーキ
へとつなげる、というのが一番荷重として制動できる方法になります。
こうするとフロントブレーキで発生する大きなピッチングモーションを
防ぐことができ、リヤへかかった荷重を活かしたまま、前後の
ブレーキを強くかけられるようになります。
つまりこれが理想的なブレーキングになります。